学習障害とは発達障害に分類されるもので、基本的には知能の遅れはない。読み書きや話すこと、計算、推論など特定の能力の習得、および使用が極端に苦手な障害だとされている。このように学習障害には複数のタイプが存在し、それぞれに適した勉強法があるのが実態だ。
例えば、読み書きが苦手なタイプの場合については、ビジョントレーニングという眼球の動きをコントロールする力や、空間認識能力を高めるためのトレーニングが有効とされている。また、教科書などを拡大コピーして、文節に区切りを入れるという勉強法も有効だ。
次に算数障害は、計算や文章問題が苦手な傾向にある。そのため、パソコンやタブレットなどのICT機器を用いて、算数の学習が楽しいと思わせることが大切なのだ。文章問題では、文章を絵や図に置き換えて解かせる方法も有効な手段だろう。
そして、書字表出障害は文章は読めるものの、それを書き出すことが困難な障害だ。鏡文字になったり、認識できない文字を書いたりしてしまうこともあり、正しい漢字を習得させることが重要となる。例えば、漢字の成り立ちを学習する、へんやつくりを覚えるといった勉強法が効果的だ。
学習障害のタイプは同じであっても個人差があることも多く、保護者や教員、専門知識を持った医療従事者が連携し、個々に合った勉強を模索することが求められる。個々に合った勉強法を見極めて実践し、学習が楽しいと感じられる環境づくりがとても重要だ。